2部

1部最後で——————–

女神「あなたはこの世界の住人ではない。」

ゲートをくぐる主人公にセリナが家宝である腕輪を託す。

「いいのか、こんな大事なものを」
「あなたに託さなくてはならない気が」
セリナの最後の想い

これで今生の別れになってしまうのだから。

俺の役目は終わったのだ。

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何の変哲もない平凡な一日が今日も終わろうとしている。

揺られる電車の中でひとり窓枠から覗く夕日と陰りつつある黄昏の空。

遠くでは無数の鳥の黒点がゆらゆと飛び交う姿が目に映る。大空を飛ぶその姿こそ自由そのものだった。

 

 


そんなテンプレート人生なんて嫌だ。
何かを成し遂げたい。そんな想いこそあるが。
それに見合う努力もしてこなかった。
ただなんとなく過ごしてきた。
その結果が今の自分を生み出している。
○○は胸中穏やかではないのだ。
当たり前のように

 

人が入り乱れる駅のホームで

人垣をかき分けながらホームを後にする。

ただ流されるだけのようなテンプレート人生は歩みたくない。

どうせなら運命に逆らってやりたい

何をそんなに突き動かされる衝動に駆られるのかはわからない。

 

そんな当たり前のような毎日が繰り返されたある日のことだった。

時計の針は夜7時を指していた。

大通りを抜けて、住宅街の小道を

今日も帰り道だった。まっすぐと寄り道もせず自宅を目指しているはずなのに。

どことなく

異様な静けさ、 普段なら木々が風で揺れる音や虫の声や

何一つ聞こえない無音の世界

行きかう人々の姿もなく、あたりに人気はない。

 

視界がパッと開け、夜道ではなく

どこか幻想的

 

 

目の前の誰かの存在に気が付いたのは数秒後のことだった。

顔は視認できない。

背丈は180センチ弱と言ったところだろうか。

(特徴を書く)

 

この世のものではないのは明白だった。

ただ恐怖を感じることはなく、

「君は運命を信じるか」

 

「え?」

 

 

 

ふと我に返り、見慣れたいつもの近所の通りを突っ立っていた。

「おい兄ちゃん、こんなとこ突っ立ってどうした?」

呆けた顔の

「夢?」

 


そんな俺に驚きの出来事があった。
パソコンの電源を入れ 通知トレイに見覚えのある会社から
そのタイトルには「モニタ当選おめでとうございます」という

世界的有名なソフトウェアメーカーXXXXが来年リリース予定のタイトル
「VVVVV」
ジャンルは異世界ファンタジー
俺の好きなジャンルだ。

なんと発売前に先行モニタを募集し、
ネットニュースでも殺到 するほどの人気タイトル。
その当選人数がたったの5人という。
その数少ない
実際に実機体験も当然ゲームをプレイすることができる。


友人が「もしかしたら当選するかもしれねえしやろうぜ」という言葉
面白そうだと思い申し込んだ。

◆実機モニタ終了後

楽しかったという感情はあるが、いまいちゲームの内容を覚えていない。
あまりも感動しすぎて、記憶に残らなかったというやつだろうか。
所詮人間の記憶なんてこんなもんだろう。

ふと帰りがけにポケットに手を入れてみると、何か入っている。
宝石がはめられた腕輪
「なんだこれ」

なんだこの記憶は
途端に涙が溢れ零れ落ちた。
すべてを思い出した。あの世界で体験したこと。
ともに笑いあった友の顔を。そしてセリナの顔を。
思い出が蘇る。


あれは決してゲームなどではない。


知ってしまったのだから。

あの時、刺激的な人生。
それを願ったのは俺自身ではないか。
運命がそうさせたのだ。

地下軍事施設。
極秘裏に行われている実験に違いない。
それを知ってしまった俺は彼らにとって都合の悪いこと。
言うまでもなく抹殺対象。


まさかイデアで培った経験がここで生きてくるとは思いもしなかった。
記憶をたどる。

地下施設の転移装置の数台をTNT爆薬で破壊する。
すぐに警報のベルが
「地下B3○○にて火災が発生。」

消火栓からはスプリンクラーの水が
「これでしばらくは戦力ダウンといったところか。」

「もうあとにはひけないよな。」
銃弾に打ち抜かれた左腕を庇いながら、歩を進める。


よぎった。

 

「やったあ!」少年は大喜びで寝室で飛び跳ねていた。

今話題の次世代型VRゲームの実機体験のモニターに当選したのだ。

しかもたったの5人しか募集していない枠に見事かかった。それはもう大喜びでいられないはずがない。

1階にいた母親が何事かと思い部屋に入ってきた。

その光景に呆気にとられていた。

大学生がいい歳して自室のベッドでトランポリンのようにピョンピョンはしゃいでいる光景を見たら誰でもそう思うだろう。

母親は電源の付いたパソコン画面を見て、察しがついたのだろう。画面にはゲーム会社から届いたメールの「当選おめでとうございます」という文字が書かれているからだ。

会場へお越し下さい。

 

 

ゲームの実機体験は面白かった!という気持ちは残っているのだが、なぜだかその内容がはっきりと思い出せない。

まさか夢だったのであろうか。

 

気になった俺は例のゲーム会社の前まで足を運んでいた。さすがに中まで入れるとは思ってはいなかったが、どうしてもゲームの内容がきになった。外からでもゲームのタイトルがわかれば、と思い玄関を覗き込んでいると、見覚えのある男が一人ガラス戸を開け、一声かけてきた。

「もしかして君はこの間のゲームのモニタの子かな?」顔を出したのはやせ形で小柄のいつもニコニコ顔のおじさんだった。確かゲームの操作説明を担当していた人だったはず。うろ覚えだが間違いはないと思う。

「はい、そうです。」

「こんなところで話しても何だし中へどう?」男はガラス戸を開き、手招きする。

「お邪魔してもいいですか?」

「どうぞどうぞ。君は大事なお客さんだし、もしかしたら将来弊社の社員に、だってこともあり得ちゃうかもしれないしね。」

就職先はこのゲーム会社も悪くないかなと思ってしまうほどだ。男のご厚意に甘え、中にお邪魔させてもらうことにした。相変わらず広い建物で、無機質なんだけどどこかエレガントな雰囲気を醸し出しているオフィスだ。

「あの、ちょっと聞きたいこ・・・」

「ごめん、ここで少しだけ待ってくれる?」男はそう告げるとそそくさに廊下の突き当たりまで走り、角へ曲がり男の姿は消えた。

奥の扉が閉まる音が聞こえ、男はそのまま走り戻ってきて、今往復した廊下をもう一度進む。

恐らくは社外秘のものでもあったのだろう。

 

「非常に残念なことかもしれないんですが、あの日モニタしたゲームはどんなものだったのでしょうか?とても楽しいゲームだったという覚えはあるんですが、内容が全然思い出せなくて・・・」

男は一瞬硬直した様子だったが、すぐに言葉を切り出す。

 

「イデア?」

ふともらした言葉におじさんの形相が豹変した。

何かが頭を駆け巡った。思い出そうとしている?

 

「イデアはこの地球とは異なる時間軸にあり、時の流れ方や性質も全く違ってね。」

イデアってなんだ?もしかしてゲームタイトルのことか?

 

頭の中で何かが思い浮かんでは弾け、弾けては浮かびが永遠に繰り返される。

なぜ俺はここへ来た?それはこなくてはならなかったからでは?

なぜ楽しかったはずのゲームの内容が思い出せない?思い出さないのではなく、思い出させないのでは?

俺は思い出そうとしていることを絶対に思い出さなくてはならないと確信した。

あれ確かあの日、この男は実機の操作説明だけしたはずだ。ゲームのタイトルは社内でも非公開のものでモニター参加者だけにしか告げられないはずだ。なのに今この男の話した言葉はまさにそれを彷彿させる手がかりなのではないか?

迸る電撃が頭を駆け巡り、やがて一つの答えが導き出された。

この男、いやもしかしたらこの会社はある秘密を隠しているのではないか?

 

「そう君の考える通り、世間で言われるただのVRゲームではない。直接世界へテレポートできる転移装置。」

 

これまで出てきたキーワード。

すべてを思い出した。

 

 

 

「驚いたよ。まさか消したはずの記憶が呼びさまされてしまうなんてね。よほどあの世界への想いれが強かったのだろう。」

「確か君の知り合いにリッキという青年がいたかな。彼は邪龍戦で仲間だったウェンディに殺されかけて九死に一生を得たというが、果たしてそれは本来の運命だったのかな?」

「そういう意味だ?」

「彼はウェンディに殺されている。」

「!?」

「が、それを事実にしてしまうと今後のシナリオ展開が微妙になってしまう。彼が死ぬことにでこれから起こり得る可能性が消えてしまうんだよ。だから我々は彼が死なないという事実に塗り替えて、ウェンディを撃退するという事実を作った。」

「つまりイデアの人間は我々の動かすゲームの盤上の駒に過ぎないのさ。もちろん君も例外ではない。」

「我々の都合の良いように歴史を塗り替える。それも過去も未来も思いのままということだ。」

「我々はいつでも思いのままにどの時間軸にも干渉ができる。そして世界の調整を行なってきた。この言葉の意味がわかるかね?」

俺の目の前の男の言うことに恐怖した。そんな事実を信じたくはない。

「まさにシナリオライターになったような気分だよ」

「何が目的なんだよ」

「イデアの文明開化、発展には驚いたよ。我々地球の人間が成してきたような高度な文明を栄えることができる。しかも我々とは異なった発展の仕方、化学・技術が詰まった結晶、その結晶こそが我々の求めるモノだよ。」

軍事力

「最終的に文明が最高点に到達した段階でイデアを支配すればいい。地球ももうそう長くは持たない。このイデアを目に付けた我々は次世代の人類を作り上げることに成功した。」

馬鹿げている。そんなことあってたまるか。

「イデアの民が我々神に逆らおうなんて間違っているとは思わないか?」

 

「さて君をどうしたものか。このまま今回のことを忘れてくれるなら、見逃してもいいだろう。もちろん命も保証しよう。だが我々の計画の邪魔になるようなことがあれば保証しかねるな。」

 

この俺、○○イツキは決意した。

大人しく引き下がるなんてできるわけがない。
知ってしまったのだから。


必ずどこかにこの施設内に転移装置があるはずだ。

まずは見取り図を探す。玄関フロアの一角に

元来た通路を真っ直ぐ進んだところにどうやらエレベータホールがあるらしい。

その階数を見て驚きだ。事務所はすべて地上フロアに構えられているようだが、なんと地下15階まである。

恐らく地下施設に転移装置があるに違いない。しかし、地下フロアの案内板の記載はない。

 

警戒していたが、ありがたいことに誰とも出迎えることはなかった。エレベータホールも静まり返っており、人の気配は全くない。

エレベータのボタンを押し、待機する。電光板の表示が7階から徐々にひとつずつ階が下がるごとに切替わる。

エレベータ横に身をひそめ待ち構えていると、扉が開いた。3名ほど男が降りてきた。そのうちの1名はさっきの男だ。こちらには気づいてはいないらしく、玄関ホールへと向かうようだ。

音を立てずにエレベータ内に入り、地下のフロアのボタンを適当に押した。が、反応がない。

よく見ると地下フロアへの出入りはセキュリティー認証が必要なようで、キーカードを持っていないと降りられないようだ。

 

1階の雰囲気とは打って変わって

研究施設のような

扉も上下のスライドドアらしく、

連絡路で

なんとか地下フロアに辿り着くイツキを待ち構えていたのは・・・

「侵入者発見!」

機関銃を両腕に装備したロボットが前方より2体
後方からも2体

「物騒にもほどがある。どうなってんだこの会社は」

こんな時にリリアスがいてくれればどれだけ心強いか。バックアップのありがたみがわかる瞬間だった。

射撃体勢に入る警備ロボは

 

咄嗟に身を翻し、すぐ隣にあったスライドドアへ駆け込む。

部屋は薄暗く、何も見えない。

ドア一枚を隔てているが警備ロボは扉に入ってこられないのか、もの音ひとつしない。

 

機関銃を持った武装した兵士が10名ほど

部屋のロックをかけた。

 

恐らくここが奴らの隠していた転移装置の実験室だろう。

装置の起動の仕方がわからない。

もたもたしていると連中が入ってきてしまう。

 

マシンを起動する。その刹那扉がぶち破られた。

「もう後には引けないよな」

撃たれると死を覚悟した瞬間、青白い光に包まれ、銃声を最後に意識を失った。

 

「戻ってこられたのか」

どこだここは、今の時間は?

転移装置にセットされていた時間軸は正しいのか。

 

あいつらの言っていた「真実を塗り替える力」

街の予言者が言っていた「滅びの運命」とはそういうことなのか。

現に別の時間軸でこの世界は何度も連中に滅ぼされている。

このことを知っているのは俺だけだ。

早いところセルヴェルン

しかし逃亡時に負傷した右脚が今になって

動けない。俺はその場に倒れた。

誰かの声が聞こえる。声の主の正体を知る余裕もなく再び俺の意識は途絶えた。

 

通路の

 

 

 

 

薄暗く顔の表情までは読み取れないが、冷酷無慈悲そのものであった。
セリナを一瞥するや否や
「始末しろ」と命じ、男は奥の
重質な鉄製の扉はバタンと閉められ、
どこか遠くで雫が弾け落ちる音が何重にも反響し届くほど静まり返っている。

 

「○○様には始末するように命ぜられたけど、あなたのように素質の高い人間を殺すには惜しいわね。どう、私達の仲間になるというなら見逃してあげなくても?」

「お断りですわ。」

「見た目に寄らず威勢はいいのね。気に入った。それに免じて私からプレゼント」

するとすぐ隣にある石像に手を伸ばす。

怪しげに光る赤い石

 

「直接脳を刺激して忠誠心を植え付けるものよ。」

 

「青ざめたわね。」

 

 

数時間の抵抗も空しく、

シャネル様のお役に

 

 

主人公・アイヴィー vs セリナ・シャネル

忠誠心を植えつけて

「あの女がセリナを・・・。」

射程

広範囲魔法の行使ができるシャネル。後方支援によるサポートは強力。

接近戦に特化したセリナ。

遮蔽物もない開けた場所では逃げも隠れもできるわけがない。

セリナを人質に捕られている以上、躊躇せずに戦うことはほぼ不可能。

圧倒的に不利な状況に変わりはない。何か打開策はないのか。

主人公「」

アイヴィー「罠に」

 

強い・・・。初めてセリナと対峙したあの日とは比べ物にならないほどの

押されっぱなし。予期していたことではあるが、

 

大胆な行動だが、これ以外に策は思いつかない。

 

俺は剣を捨てた。

ゆっくりとセリナに近づき、口を開く。

「」

セリナの動きが止まる。

 

「まさか、私の洗脳を克服するとは、しかし魔石はまだ体内にある。」

 

 

「シャネル、この魔石を取り除くことはできないのか?」

「下手に摘出しようとすれば脳を傷つける。」